2005年9月11日 (日)

sigur ros

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死んだ人間が行き着く幸せな場所があるとして、
私はそこで、この音楽を選んで聞いている気がする。

溢れかえった幸福感や、まぶしすぎる希望の光に包まれて、
圧倒的な美しさに脳が揺れる。涙腺が緩む。
美しく幻想的な理想郷にこそふさわしいと思う。


sigur ros / Takk...
私にフジロック行きを決意させたアイスランドの4人組バンド
愛するシガーロスの4thアルバムを、激しく愛聴中。
前調べが足りず、先発の日本盤を買ってしまったけど、
雰囲気の変わった今作は賛否両論あるみたいだけど、
そんなのどうだって良くなる傑作。素晴らしい。
現時点で手中にある幸せだけに意識を集中させて、
今はこの音にだけ溺れていたい。

コップに入った炭酸水の泡が、勢いよく昇って、そして弾けるように、
私のからだの中で発泡した音がじわじわ全身に広がっていく感覚、
音と一緒にからだがゆっくり上昇していくような感覚の心地良さは
言葉では表現しきれない。
浄化されていく感じがした。
私の体にたまった毒素もどんどん浄化していって欲しい。

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2005年8月13日 (土)

佐藤雅彦研究室展

久々に銀座に行ってきました。
お目当ては「佐藤雅彦研究室展」@ggg。
ライオン近くのギンザグラフィックギャラリーってとこです。

彼の名前を聞いて、はて?と思った人でも、
彼の作品は観たことがあるでしょう。
ピタゴラスイッチの総合監修が彼。
バザールでござーるもドンタコスも彼。
日本のスイッチを仕掛けた張本人。
慶応で教鞭振るってます。
彼こそ、本物の天才です。

会場には「課題とその解答」という副題通り、
佐藤さんの提示した課題に対する研究室学生の
スマートな解答がずらり。
展示と上映しているものはどれも洗練されていて、
「おぉ!」と「へぇ~」と「ふふふ」の連続です。

アニメーションやピタゴラ装置の紹介を含む様々な映像で
(難しくて堅苦しい)本来は毛嫌いしてしまう分野を
全て分かりやすく丁寧に説明してくれてるから、
学欲も満たされるし、大満足の展覧会でした。

(でも、久々にフル回転させた脳がかなりお疲れで、
帰り道、頭の奥がなんだかぐわんぐわんしてました。)

素晴らしい内容で、お金もかかってそうなのに、
gggは入場無料です。なお素晴らしい。
29日までやってるからみんな行って下さい。

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2005年6月20日 (月)

コーヒー&シガレッツ

コーヒー&シガレッツは、新聞に広告が載った瞬間、観に行こうと決めた映画。
ナイト・オン・ザ・プラネットを観て大好きになった監督、ジム・ジャームッシュの、
18年間もあたためてきた企画が完成し、最新映画として紹介させていた。
オダギリジョーをはじめ、各界の著名人が大絶賛していた。・・・気がする。
でも、渋谷での上映は終わってしまい?銀座のレイトショーを?観るつもりだった。
・・・んだけど。なんと。今、吉祥寺のバウスシアターでやってます。
素晴らしい。さすがです。で、18日5時から観て来ました(1日5回上映)。

今回もナイト~同様気の利いた短編集で、コーヒーとタバコで繋がった11のお話。
それがどれもこれも本当に面白い!!がはは、ではなく、くすくす笑って、じわじわ
楽しむ感じで、それが最高に気持ちよかった。本物の、リラックスムービーだった。
ライフイズビューティフルのロベルト・ベニーニがキャラクターで笑わせる。
トム・ウェイツとイギー・ポップが絶妙に噛み合ってなくて苦笑い。
ウェス・アンダーソン作品常連のビル・マーレイのとぼけたひねくれっぷりも
かわいすぎて、かなり笑った(私たちが過剰反応していただけかも知れない)。
ザ・ホワイト・ストライプスの二人の話も、なかなかステキで、好みだった。
マニア好き(何かを熱狂的に好きな人が好きな人)にはたまらないなぁ。
最後のおじいちゃん同士の話なんて、うっかり泣きそうになってしまった。

というわけで、今回もおすすめです。まだの人、観て下さい。吉では7/1まで。
最近映画づいてるけど、なんだか見事にハズレなし。嬉しい。しあわせ。

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2005年6月15日 (水)

幻の光

私が一人で生活している部屋の下には、大家さんが住んでいて、
80過ぎのおじいちゃんが、60くらいの娘さんと一緒に暮らしている。
そのおじいちゃんは・・・、夕方になると、毎日水戸黄門を見る。
耳の遠いおじいちゃんが、毎日、大音量で水戸黄門を見てる。
はじめは気になって仕方なかったその日課は、
いつからか私の中でも大切な確認作業になった。
「今日も一日が終わっていくなー。今日もおじいちゃん元気だなー。」
そんな話を最後まで片想いだった人に話したら、「幻の光」って観たことある?
って聞かれて、前から特別な思いで観たかった映画を、昨日観てきました。
(以前、シザーハンズを観せてくれたモンキーノの上映会でした。)

「誰も知らない」の是枝 裕和の映画監督デビュー作。素晴らしかった!!!
曖昧な言い方をすると、しっとりと、静かで、美しい映画だった。
自然の光だけで撮っているから(確か)、画面は始終暗いのだけど。
暗闇に浮かぶ江角マキコの輪郭の美しさ。シルエットの美しさ。
彼女の姿勢の美しさ。そこから滲み出る女性としての美しさ。
普通はもっと寄って撮りそうな場面も、あえて?遠くから撮っていて、
画面に入ってくる山や空などの自然や、街の風景も美しかった。
一つ一つのカットが長いせいか、構図の美しさにも目を奪われる。
丁寧に、ゆっくり喋っているからか、関西弁さえも美しく感じた。
また感覚重視で映画を観てしまったけど、考えることも多かった。

これも、賛否両論な映画みたいだけど、私はかなり、好みで嬉しかった。
忘れないように、好きだった場面を(もう忘れかけてるけど)書いとこー。
下のおじいちゃんの大音量のラジオは「生きてる合図みたいなもんや」ってとこ。
息子役の子が、血の繋がっていないお姉ちゃんと仲良く遊んでて、
「もう最後のひとつやねん」ってベタベタな飴玉をあげるとこ。
さらに後半、田んぼ横?のあぜ道を二人が走ってて、お地蔵さんの前で
ぴたっと止まって、なむなむするとこ。で、またすぐ走り出すとこ。
・・・あと何だっけー。とにかく、印象的な場面はほんとに多かった。
もう一回観たいな。おっきなプラズマテレビとかで。できれば映画館で。
宮本輝の小説も読んでみようと思った。
好きな人には先に死なれたくない。

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2005年6月 6日 (月)

くろだいおう

いろんなことに詳しい人から、おすすめ漫画を借りた。
黒田硫黄さんの「大王」。デビュー作を含む短編集。
デビュー作が「蚊」だし、11話とも話はばらばらで、
とっつきやすいんだかにくいんだか・・・。なんて、うそ。
一気に引き込まれて、大好きになってしまった。
本当に独特で、とても魅力的な黒田硫黄の世界。

最初に気付くのは、この人はあまりトーンを使わないということ。
べた塗りしたり、線で書き込んだり。手法も独特なのだ。
そして、筆を頻繁に、上手に使う。筆だけでさらさら描く。
それだからか、シンプルなのに説得力があるように感じてしまう。
さらに、すぐに愛着を感じてしまう主人公やキャラクターばかり登場する。
蚊も、象も、熊も、鯨も、トンボも、こんな使われ方をするのを
初めて見た。面白い。この人の頭の中はすごいな。

お気に入りの店(BOOK OFF)で「茄子」の第一巻も買ったけど、
それもとても良かった。お気に入りは「二人」というお話。
大人の、友情とも愛情とも違う、不思議な関係が描かれている。
茄子をテーマにした8話の短編集で、前編・後編で収録されている
「アンダルシアの夏」は、宮崎駿監督によってアニメ化された。

映画を観て研究したという「構図」を意識して読むのもまた、乙なもの。
あー。黒田さんの漫画、買い揃えたい。いつか必ず。。

○○○○○◇○○○○○○○○○○○△○○○○○○

うれしかったこと。
絶版の危機にあった愛する枡野浩一さんの2nd短歌集
「ドレミふぁんくしょんドロップ」(1stとセット)の復刊決定!!
・・・かなしかったこと。
同じく3rd短歌集「ますの。」の復刊不可も決定。。
最近彼を意識し始めたあなた!まだ3冊も!絶賛絶版中です。
復刊.comで会員登録して、復刊投票してください。

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2005年5月31日 (火)

ウェス・アンダーソン

良い機会に恵まれ、彼の監督作品を2本、立て続けに観た。
一つは2001年公開の家族映画、「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ、DVDで。
もう一つは現在公開中の潜水映画、「ライフ・アクアティック、恵比寿で。
2本を堪能しきった私は今、最高にテンションがあがっている。
作品名しか知らなかったことを後悔するくらい、もう、彼に夢中です。

とにかく、かわいくて笑えてほろっとしちゃう、最高の映画だった。2本とも。
彼のこだわりが劇中の人間関係の描き方、美術、衣装、音楽に凝縮されているのだ。
特に、一筋縄ではいかない家族関係とその愛の表現の仕方が、とてもうまいと思う。
キャラクターごとの印象的な衣装で、さらに個性を引き出すやり方もすごい。
BGMの素晴らしさには言葉も出ない。彼はシーンに合わせた曲選びの天才だ。
選曲の魅力は映画全体の魅力になって、最終的に、幸福な余韻に変わる。

ライフ・アクアティックでは、海外で一番好きなアーティストの、一番好きな曲を、
映画の一番いい場面で使ってのけた。今まで笑ってたのに、感動しすぎて涙が出た。
実際乗組員として出演しているブラジルのカリスマシンガーが歌うボウイの名曲も◎。
さらに彼の作品の音楽担当がDEVOのメンバーということもあって、この映画を包み込む
ピコピコテクノが最高にかわいい。好みの幅が広い音楽好きに、特におすすめの映画。

彼はまだ若くて、作品も4作だけ(日本公開は上記の2本のみ)の新人監督らしい。
でも、それに全く見合わない注目と評価(次のスコセッシって!)を受けている人。
・・・というような評判で興味を持つよりは、実際に観て「最高だった!」
って言ってほしい。みんなもにも。
だからみんな恵比寿のガーデンシネマに行って!7月15日までやってるよ。
これから順に全国でも公開が始まるから、東京以外のあなたもぜひ!!
ただ、好みは分かれるみたいなので、あしからず。かなしー。

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2005年5月20日 (金)

三代目魚武 濱田成夫

ねぇみんな、彼の作品読んだことある?
・・・その前に、彼の名前を読んでみたこと、ある?
「さんだいめ うおたけ はまだしげお」って。
私、最初読めなかった。あ、違う、読もうとしてなかった。
だから、試しにも呼んでみないまま、ここまできてしまったわ。
でも、さすがに、昨日は彼の名を呼ばずにはいられなかった・・・
再び運命的に出会ってしまったんだもの、同じ場所で。同じ時間帯に。
唯一違ったのは、今度は出会いの街、吉祥寺だったってことだけ、、、

てな感じで、BOOK OFFで三代目魚武 濱田成夫の本を買った。
大学入学したてのころ(だからもう3年前)に立ち読みしていた詩集を買った。
彼の作品との出会いは、偶然の産物以外の何物でもない。
暇つぶしに行った近所のBOOK OFFで、
人目につきにくいように入った真ん中の列で、
たまたま目線の高さにあった長すぎるタイトルの文庫本。

「君が前の彼氏としたキスの回数なんてオレが3日でぬいてやるぜ」

・・・うわぁお。
そして表紙を開いた瞬間、「この本を俺に捧げます」。
・・・あぁ。この人俺様だ。
もちろんそのまま本棚に戻せるわけもなく、その詩集を読み始めた。
ストレートすぎる愛の言葉、自分を見つめ直させる言葉、
世間を風刺する言葉、とにかく感情のままに吐き出されている。
お茶目で正直で情熱的な芸術家だった。心臓を一突きだった。
厳しい。優しい。気持ち良い。どきどきした。びっくりした。
けど、買わなかった。たしか300円くらいだったのに。
でも、今回この本を見つけたのは100円均一コーナー・・・
なんとも言い難い、もわもわした気持ちで、とにかく買った。
やっぱりかっこよい。女は惚れる。男は憧れる。はず。
というわけで、10年も前の作品だけど、読んでみて。
・・・併せてこちらもどうぞ。彼の第一詩集、角川文庫より。
「駅の名前を全部言えるようなガキにだけは死んでもなりたくない」

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2005年5月12日 (木)

日本香

中央線で・・・
「ものすごい鼻づまりさんがいるなぁ」と振り向くと
右斜め後ろの男性が直立不動で爆睡していた。
鼻づまりだと思っていたそれは、不定期でよく響くイビキだった。
気づいた順に周りがすごい顔をして(もしくは含み笑いで)こっちを向く。
気になって気になって脳内面接どころではなかった。

というわけで、
昨日は趣味が高じて受けたお香屋さん、2社目の二次面接だった。
癒しへの欲求やアロマテラピーへの関心から、
日本人の香りに対する意識はかなり高くなっているそうだ。
もちろん私もその一人で、かつてはアロマキャンドルやオイル、
安さが魅力の外国の長いお香もよく買っていた。

だけど、京都の香老舗「松栄堂」のお香に出会って以来、
私は日本香のとりこになってしまった。
同じ白檀(サンダルウッド)でも全然香りが違う。
やさしくて、まるい。控えめで、ほのかな残り香まで上品。
幸せが広がる。おだやかーな気持ちと時間が流れる。
そんな状況じゃない時も、焚いてみたら少しは気分が変わるからすごい。

面白い事に、ここの会社は伝統の香りを継承していく場と
新しく現代的な香りを創造、発信していく場を区別している。
その若者向けのお店は「lisn」といって、青山にあるんだけど。
チルアウト系の電子音楽なんかにぴったりなインセンスが
100種類以上あって、一本から買うことが出来る。色や名前から選ぶことも。
ちょっと割高だとは思うけど、新しい香りの楽しみ方として、とても魅力的。

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しかも、私が愛用してるお香は灰が崩れない。
燃え尽きた後もすっくと立っている。
もはや熟練の調合師さんによる芸術品です。
あの細いお香に威厳を感じました・・・


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2005年5月 8日 (日)

ますのこういち

お金ないのに・・・我慢できずまた本を買ってしまいました。
歌人、枡野浩一さんのかなしーおもちゃ。何度立ち読みしたことか。。
(右わきの「これ読んで」コーナーはこれを紹介したいがために作りました。)
身近にいる人は、私が好きなものを紹介してるようなふりをして布教活動を
行っていたことに、もうお気付きでしょうね。それもご愛嬌ってことで、お許しを。
最近口を開けばこの人のことばっかりでごめんなさい。
だって、世の中もそうなってきてる。と思うのです。
爆問のススメ出ちゃったし。あらゆるところで文章書いてる。。
(フラウ、流行通信、カタロガー、ニューズメーカーを、ちぇき。)

ネットの世界の人たちやblogを持ってる人たちって、少なからず言葉や伝えることに
関心が強い人間だと思うから、古語を使わない現代短歌はきっと魅力的に映ると思う。
感情や状況を鮮やかに切り取って、うまいこと並べて、31音でその世界を伝えてしまう。
いつも使ってる言葉で表現するから、言葉とその世界がダイレクトに飛び込んでくる。
言い回し(言葉の選び方、並べ方)が違うだけでこんなにも面白いし、広がっていく。
枡野さんをはじめ、投稿歌人さんたちは、そのセンスが素晴らしく良いのです。
いつも使ってる言葉ってのは、使いやすい言葉だから、分かりやすい反面
ありきたりになりやすい。それをそう感じさせない技術とセンスに脱帽しっぱなしです。
私はまだ勉強中で、言葉探しの段階なのですが、これから試行錯誤しながら
オリジナルなものを作って楽しめる人間になりたいと思っています。

はっとしたり、きゅんとしたり、かなしくなったり、勇気づけられたり、
かなり楽しい世界なので、ぜひみなさんも覗いてみて下さい。
手始めに、人差し指の疲れるこちらをどうぞ。疲れるけどかわいくて楽しいよ。

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